一番だし・二番だしの取り方を紹介します。鰹節屋が昆布やかつおの材料を使用した出汁の作り方・レシピ。誰でも、簡単においしいだしを取ることができるから、ぜひ、お味噌汁やおひたし、煮物料理に試してみてください!
目次
①料理における基本味
料理における5つの基本味をご存じでしょうか?5つの基本味とは、甘味・塩味・酸味・苦味、そして「うま味」です。東京帝国大学・池田菊苗博士は昆布だしに含まれる主成分がグルタミン酸であると突き止め、それを「うま味」と名付けました。うま味とは、古くから日本に馴染み深いものなのです。
”うま味”が凝縮されただしは自然の恵みそのもので、日本料理の基本です。手間ひまをかけて作っただしは料理をひと味もふた味も引き立ててくれます。近年、家庭で使用されるだしは顆粒のものが一般的となっています。忙しい現代社会では、お湯に溶かすだけで、簡便にだしを作ることができるものが採用されがちですが、時間をかけて天然の素材から取った和風だしの方が、何倍も何十倍も美味しく、香り高い旨みを感じることができます。
是非、昆布やかつおの天然の素材からだしを取って、料理を楽しみましょう!
②一番だしと二番だしについて
「一番だし」とは、火にかけずに素材そのものから旨みを抽出します。「二番だし」とは、一番だしを取った以降の出し殻を火にかけて取っただしのことを言います。それぞれのだしの取り方は、のちほどご紹介いたします。
一番だしと二番だしの違いとして、一番だしの特徴は上品で口に広がる芳醇な味わいと香りが優れており、琥珀色や黄金色の澄んだ出汁を採ることができます。二番だしは、色見や香りは薄いですが、凝縮された強い旨味を感じることができるのが特徴となります。料理に応じて使い分けることができるのです。
③だしに合う料理
(1)一番だしに合う料理
一番だしは、その芳醇な味わいと香りを活かすために、薄味の料理に最適です。醤油や味噌といった味付けの濃い料理に使用するとだしのうま味を上手く活かすことができなくなるので、だしの味を活かせるような料理に使用しましょう!
・お吸い物
・すまし汁
・茶碗蒸し
・だし巻き卵
・おひたし
・煮びたし
・高野豆腐
・ふろふき大根
(2)二番だしに合う料理
二番だしは、強い旨みが特徴となるので、その特徴を活かすために味付けの濃い料理に使用しましょう。二番だしは強い旨みが特徴ですが、出し殻の素材を火にかけて煮出すため、同時に雑味も含まれてしまいます。味の濃い料理と使用することで、その雑味を消すことができ、強いうま味も活かすことができます。
・お味噌汁
・そばつゆ
・うどん
・鯖の味噌煮
・煮物
・炊き込みご飯
・肉じゃが
・煮しめ
・おでん
④だしの取り方レシピ・作り方
かつおだしの場合
(1)一番だし
材料
・鰹のけずり節…30g
・水…1,000ml(カップ5杯分)
①鍋に水1,000mlを入れて、火にかける。
②沸騰したら火を止めて、けずり節30gを入れる。
③けずり節を入れて、1~2分程度おく。
④布またはキッチンペーパーを敷いたざるにけずり節を濾しだし汁を取り出す。
これでかつお一番だしの完成です。
※濾す際に、けずり節を絞るとえぐみが出てしまうので、絞らないでください。
(2)二番だし
材料
・一番だしで使用した出し殻の削り節…約30g相当
・水…500ml(カップ2.5杯分)
・追いがつお用削り節…4.5~5g
①鍋に水500mlと一番だしの出し殻を入れ、火にかけて沸騰後、弱火にして3~5分煮出す。
②追いがつお用削り節4.5~5gを加えて、1~2分程煮出す。
③布またはキッチンペーパーを敷いたざるに出し殻を抑えながら濾し出し、その後削り節を絞る。
これでかつお二番だしの完成です。
お味噌汁やおすましなどにおすすめのさっぱりしただし感です。水200CCを加熱したら弱火にして本品を10g入れ、アクを取りながら2~3分煮れば香り高いおだしがとれます。
香りと食感を存分にお楽しみいただけます。
かつおと昆布のだしの場合
かつおと昆布の合わせだし
材料
【一番だし】
・昆布…10g
・鰹のけずり節…20g
・水…1,000ml(カップ5杯分)
・差し水…50ml
【二番だし】
・一番だしで使用した出し殻
・追いがつお…5~10g
・水…1000ml
「だし専用削り節」だから「だしせん」です。
厚削りより少し薄い中厚削りにすることで、10分程度の短い時間でよくだしが出るようになっています。
バランスの良いだしの定番かつお節に、甘みのあるさば節、コクが出る宗田かつお節の3種類をブレンドしています。
普段のみそ汁もワンランク上の仕上がりに!
【一番だしレシピ】
①昆布の表面を堅く絞った濡れ布巾で軽く拭く。
※このとき、昆布を水に浸けて洗わないでください。昆布のうま味が逃げてしまいます。
②鍋に水1,000mlと昆布10gを入れ、10分~1時間程度浸す。
※時間がある場合は前日から仕込み、半日~1日ほど昆布を浸しておくとより美味しくなります。
③弱火で加熱し、沸騰する前の鍋底から小さな泡が出てきたところで火を止めて、昆布を取り出す。
※10分程度で沸騰する程度の弱い火にする。すぐ沸騰してしまう位の火加減だと昆布の旨味が染みださず、逆に弱すぎる火加減だと昆布のぬまりや色など余計なものが染みだしてしまうので注意する。
④昆布の臭いを消すために鍋を沸騰させて、その後沸騰を抑えるために差し水50mlを加える。
⑤鰹のけずり節20gを加え、ひと煮立ちさせたあと火を止め、アクを取り除く。
⑥ボウルにガーゼやキッチンペーパーを敷いて、濾し出す。
これで一番だしの完成です。
※濾す際に、けずり節を絞るとえぐみが出てしまうので、絞らないでください。
【二番だしレシピ】
①鍋に水1,000mlと先程の残った出し殻(昆布と鰹)を入れて沸騰させる。沸騰後、弱火にして2~3分加熱する。
②追い鰹5~10gを加え、時々アクを取りながら、弱火で2分間煮出しをする。
③火を止めて、布やキッチンペーパー等でだしを濾す。
これで二番だしの完成です。
材料の量は目安ですので、もっと濃い香りやうま味を出したいときは、鰹節の量を増やすなどして、お好みでだしを作ってみてください!
お出汁で作る料理はたくさん!使い方を覚えることができれば、レパートリーの幅も増えて、料理がたのしくなります。チャレンジしてみてください。