

鰹節と削り節。同じものと思われがちですが、出来上がり状態が異なります。違いのご説明やだしの取り方、削り節のおいしい使い方など簡単レシピなど交えご紹介いたします。

目次
・かつお節の種類
・かつおの種類
・削り節の種類
①かつお節と削り節の違い
多くの方が「かつお節」に馴染みがあり呼称されるかと思います。実は「かつお節」と「削り節」は形も見た目も大きく異なります。かつお節、削り節の違いと種類をご説明します。
かつお節の種類
かつお節は節になっているものをかつお節と呼びます。削る前の状態のものになります。大きく分けて「枯節(かれぶし)」と「荒節(あらぶし)」の2種類があります。特徴としては枯節は非常堅く、荒節は枯節よりも柔らかく、ともに削って利用します。枯節と荒節は途中までの製造工程は同じですが、枯節にするにはさらに製造工程がございます。
まずかつお節の製造工程を簡単にご説明します。
・生切り(生のかつおを切る)
・煮熟(しゃじく 切ったかつおを煮る)
・骨抜き、成形
・焙乾(ばいかん 薪を燃し、熱と煙で乾燥)
・さらに干して乾燥し、水分調整
これらの工程を経て、まず「荒節」が完成します。すべての工程を終えるのに約1ヶ月程度になります。燻しているため、表面が黒くなります。

荒節の状態でスーパーや店頭で見ることは少ないかもしれませんが、荒節がかつお節の基本です。これらの多くは削り節やだしパックの原料などに使用され、自社で削り節にしたり、お取引先への卸として取り扱いが主流です。

この荒節にカビ付けし熟成したものを「枯節」。さらに天日干しとカビ付け3回以上繰り返したものを「本枯節」と呼びます。
本枯節が完成するまで約半年ほどかかり、時間がかかります。カビ付けと天日干しをすることで芳醇な香り、旨みが増します。丁寧な作業を行いひび割れを防いだり、カビ付けをきれいにすることで見た目も立派な本枯節が生まれます。職人さんの経験と技術が凝縮される一品です。
かつおの種類
かつおと聞いて、かつお以外にも宗田鰹を聞いたことはあるのではないでしょうか。かつおと宗田鰹って違いがあるの?と思われるかと思いますので、まずはそちらをご説明します。
カツオ・・・スズキ目サバ科カツオ属
宗田鰹・・・スズキ目サバ亜目サバ科サバ亜科マグロ族ソウダガツオ属
同じ「かつお」の名を持つ魚ですが、属する魚種としては異なります。かつおは古来より日本で食されてきた貴重な栄養源で、腹部に複数の線が入っているのが特徴。大きくても10kg前後、多くは2~6キロの間になります。かつお節にするには、大きすぎても小さすぎても製造が難るため、取扱商品、製造工場にもよりますが、2~4キロ前後のかつおを選び節にします。

宗田鰹はかつおよりもサイズは小さく、かつおの特徴でもある腹部のラインはなく、背中にサバと似たような模様があります。ただどことなくかつおには似ている紛らわしさはありますが、似て非なるものとなります。
また宗田鰹は血合いが多く、傷みやすいことから生で食べる場合は血合いをとりましょう。よりも節に変え原料として扱いのが向いています
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節で見てみるとサイズの違いがわかります。かつおはサイズが大きく、宗田はかつおの半分ほど。宗田節はだしにコクはありますが、前述のとおり血合いがおおいため苦味もあります。そのため、そのだしを活かし苦味を減らすためかつお節やサバ節といった苦味の少ない節と調合し、混合削り節やだしパックを作ることが多いです。
削り節の種類
削り節は削り方によって名称、使用用途、香りなどが変わります。
かつお削り節
・花かつお
耳にしたり、見たことがある言葉かもしれませんが、花かつおは削り節のひとつです。花かつおは「荒節」を使用した削り節を指し、枯節などの削り節は花かつおとは呼びません。

花かつおは薄く、1枚1枚が大きく花びら状になっているのが特徴です。ごはんのふりかけ、お好み焼きなどのトッピングでつかうとふわふわとした食感と食べ応えもよくおいしく食べられます。
さっとだし取りから、トッピングまで万能削り節「花かつお」

また出汁取りにも活用できます。荒節はかつお本来の旨みをしっかりと感じられるコクのあるだしが取れますので、和食を作る際はおすすめです。
・厚削り、中厚削り
その名の通り、厚めに削った削り節で出汁を取るのに向いており、だしの旨みがより感じられます。薄削りですと1枚から取れるだしも少なくなってしまいますが、厚削りは身の中から旨みが抽出されていきますので、より美味しい出汁が作れます。厚さにもよりますが中厚サイズであれば10分、厚サイズは15~20分程度出汁取りをしていただけると良い出汁が取れます。

だしせんは、「だし専用」だからだしせん。一番だしが取れる厚さ、サイズにするためオリジナルの削り方をしています。かつおだけでは深みのある出汁ができないため、宗田節、さば節を配合することでより高見のある旨みを実現。料理のプロが作るようなお出汁がご自身でも出来ます!

ほかにもかつお節を細かく砕片状にした「かつお削り砕片」、糸状に細く削った「かつお糸削り」などがございます。これらはトッピング用に使うことが多く、食感などを活かした料理に合わせることでより引き立ちます。
かつおかれぶし削り節
かつおかれぶし削り節は、枯節をパック用(トッピング向け)にしたり、厚削りにしだし用にしたものになります。枯節を使用しているため香りは芳醇、旨みの深みがあり、1ランク上の料理ができます。

荒節を半年間熟成させた本枯節を使用し、香り、旨みを最大限を活かすために削り方を研究してできたオリジナルの削り節。従来の削り節より厚めに削り、サクサクとした食感が特徴的でかつおの旨みが噛むたびに感じられます。香りも鼻に抜け臭みもなくすっきりとした風味となっております。

1枚1枚削り節は小さいため、だしを取るよりはトッピングにご使用することをおすすめします。煮物の上、白飯、おひたし、湯豆腐など使いどころは多数ございますし、お好み焼きやたこ焼きでも良い香りを醸し出してくれます。
かつお節だけでも様々な種類と削り方があり、それぞれ使い方、旨みの出方な喉が異なります。料理の幅が広がりますし、料理が楽しくなっていきます。
②出汁のおいしい取り方
削り節を使った出汁の取り方をご紹介します。今回は様々な料理に合わせやすいだしせんを使っていきます。
出汁の撮り方
<準備するもの(2人分)>
・水 400cc
・だしせん 20g
<作り方>
①鍋に水を入れ強火でひにかけ、沸騰したら弱火に変える。

②だしせんを投入し、10分ほど煮出す。アクが出てきますのでアク取りをし雑味を取り除きます。

キッチンペーパーやザルでこして完成。

綺麗な色のお出汁は、深みと旨みをよく感じられます。最初にとった出汁を一番だしと言い、薄味の料理に向いています。二番だしは一番だしよりも旨みが強く感じられますので、味の濃い料理に合わせやすくなります。
だしがらを使おう
出汁を取っただしがら、捨ててしまってはもったいないので残らず使いましょう!
・だしがらおかか
1.水分をきり、だしがらを細かく刻む
2.しょうゆ、みりん、砂糖、ごまを鍋に入れ火にかける。
3.砂糖が溶けたら、刻んだだしがらを入れ調味料がなくなるまで和えて完成。ごはんやおかずとしも良いですし、なによりも簡単に調理出来ますのでおすすめです。
・二番だし
一番だしで使用した出し殻の削り節が20g相当残った場合
・水…400cc
・追いがつお用削り節…3~4g
①鍋に水400ccとだしがらを入れ、火にかけて沸騰後、弱火にして3~5分煮出す。
②追いがつお用削り節4.5~5gを加えて、1~2分程煮出す。
③布またはキッチンペーパーを敷いたざるに出し殻を抑えながら濾し出し、その後削り節を絞る。
これでかつお二番だしの完成です。
だしがらも使い道がありますので、一番出汁をとったあとも残して最後まで使い切ってしまいましょう!
削り節を使ったかんたんごはん
削り節は、トッピングとして香りづけ風味付けとして使用されます。ほかにもシンプルだけどおいしい食べ方をご紹介します。

魚臭さのある血合いを抜きをした本枯節に信州産丸大豆醤油がセットになった削り節ごはんセット。関東ではねこまんまとも呼ばれます。

本枯節を極薄で削っており、ふわふわの食感が特徴で口の中でとろけます。削り方ひとつで感じ方が本当に変わりますのでおもしろい食材です。削り節と一緒に丸大豆しょうゆがついております。こちらははコクがあり削り節との最小もバッチリ。ごはんにかけるだけで最高のご馳走に変身。
野菜と削り節のピザトースト

トッピング用削り節(駿河ふぶきなど)4gと醤油少々を和えます。
ミニトマトを1/4サイズにカット。
食パンにバターを塗り、ミニトマト、醤油と和えた削り節、刻みネギ、チーズをトッピング、トースターで数分加熱。
きれいに焼きあがったら、最後に追い削り節。踊る削り節で香りを立たせいただきましょう。
かつおぶし・削り節は日本の食文化の中心で、和食の基本となり続けています。これから先もかつおの食文化が変わることはないでしょう。だしや削り節の良さを活かし、おいしい食事を楽しみましょう。

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