かつお節 鰹節 製造

だしにはかつお節や昆布など、素材ごとに健康効果が期待される栄養素が豊富に含まれます。毎日の食事で効率よく取り入れましょう。基本のだしの取り方から、栄養を無駄なく取り入れられる料理のレシピも紹介します。

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目次

①だしに含まれる栄養と効果

②基本のだし汁

③健康法としてのだし習慣

だしに含まれる栄養と効果

和食では主に魚や海藻などの魚介類が原料となっているだしを使うことが多いですよね。なんとなく「魚介類を食べると健康に良さそう」と思っている方はたくさんいるのではないでしょうか。実際に魚や海藻には健康効果が期待される栄養素が豊富に含まれています。その栄養素を、実はだしからも摂れるんです。

近年、だしの健康効果は日本以外でも健康志向の人たちの間で注目されています。和食に限らず、洋食にもだしを利用したレシピが数多くあり、スープやポトフなど幅広い料理に活用することができます。だしを使うことで料理にうま味だけでなく、栄養も補うことができるなら、積極的に日々の食事に取り入れたいですね。ここではだしの素材ごとに、含まれる栄養素や健康効果を解説します。

かつお節

かつお節は、原料の鰹を燻して乾燥させる「焙乾」などの工程を経て、カビ付け、熟成したものが本枯節になります。本枯節の水分量は15%ほどで、重さは乾燥させる前の1/6程度になります。そのため、鰹に含まれる栄養素もぎゅっと凝縮されているのです。

本枯節

〈かつお節に含まれる主な栄養素〉

・たんぱく質

かつお節の成分は大半がたんぱく質です。たんぱく質は筋肉を作るために必要な栄養素です。たんぱく質が不足すると、筋肉量が減って代謝が悪くなるため太りやすくなります。また、たんぱく質の不足により免疫力が低下することもわかっています。

・アミノ酸

アミノ酸は人間の体を構成するたんぱく質の原料で、20種類あります。そのうち9種類が必須アミノ酸と呼ばれ、体内で作ることができません。そのため、食事から摂取する必要がありますが、かつお節にはその9種類全てが含まれています。それぞれに疲労の軽減や免疫力アップ、脂肪燃焼、食欲の抑制などの効果があり、心身の健康維持やダイエットに役立ちます。また、かつお節のうま味成分であるイノシン酸は、新陳代謝を活発にすることによる美肌効果が期待できます。

・脂質

魚の脂質にはEPA、DHAと呼ばれる必須脂肪酸が含まれます。必須脂肪酸は体内では作り出す事の出来ない成分です。血液をサラサラにする効果を謳ったサプリメントも数多く市販されていますので、ご存じの方も多いでしょう。他にも中性脂肪やコレステロールを低下させる効果があり、また、脳細胞を活性化させることから脳の栄養とも言われています。

・カルシウム、鉄、カリウム

かつお節にはミネラルが豊富に含まれています。ミネラルは骨や血液を形成するために重要な成分ですが、体内では作り出せないので、食事やサプリメントで摂る必要があります。

・ビタミン

かつお節に含まれるビタミンは主にビタミンB、E、Dで、それぞれに疲労回復やアンチエイジングなどの効果があります。

※かつお節に含まれている栄養は、煮出してもだし汁にはあまり溶け出さないことがわかっています。冷奴やお好み焼き、卵かけごはんなどのトッピングとして食べるのがおすすめです。

本枯節の芳醇な香りとサクサクの食感がトッピングにぴったり「駿河ふぶき」

駿河ふぶき

お召し上がりいただければ違いを必ず感じて頂けるかと思います。
ご飯やお豆腐に、たっぷりかけてお召し上がりください。

駿河ふぶき

昆布

昆布は健康食品になるほど、さまざまな効能が認められた栄養素が豊富です。健康維持に役立つだけでなく、ダイエットにも効果的な成分が含まれています。

昆布

〈昆布に含まれる主な栄養素〉

・食物繊維

昆布のネバネバの正体は、アルギン酸とフコイダンという水溶性食物繊維です。脂質や糖の吸収を抑え、コレステロール値の上昇を抑制する働きがあります。血糖値の上昇も押さえますので、ダイエットや糖尿病、高血圧の予防に効果を発揮します。さらにフコイダンには肝臓の機能を向上させる働きや抗アレルギー作用があるため、皮膚炎などのアレルギー症状の改善に効果があります。

・ミネラル

昆布には鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ヨウ素などのミネラルが豊富です。特に鉄はほうれん草の1.5倍、カルシウムは牛乳の6倍含まれます。さらに海藻のミネラルは体に吸収されやすいという特徴があり、効率よく栄養素を取り入れることができます。ヨウ素は発育や代謝を促進する働きがある成分で、昆布はヨウ素を多く含む代表的な食品です。ヨウ素の摂り過ぎは甲状腺の機能に障害を引き起こす原因となりますが、普段の食事で摂取する程度の量であれば問題はありません。

・アミノ酸

昆布に含まれるアミノ酸はうま味成分となるグルタミン酸とアスパラギン酸です。アスパラギン酸は栄養ドリンクに使われるほど疲労回復効果に優れています。

※だしを取った後の昆布にはたくさんの栄養素が残っています。煮物や佃煮、細かく刻んで炊き込みご飯にするなど、料理に活用してください。

煮干し

煮干しは小魚をまるごと煮て干したものですので、魚の栄養を余すところなく摂ることができます。

<煮干しに含まれる主な栄養素〉

・たんぱく質

かつお節と同じように煮干しも60%以上がたんぱく質です。魚のたんぱく質は、必須アミノ酸がバランスよく含まれた良質なたんぱく質ですので、効率よく体内に取り込むことができます。

・脂質

煮干しの原料として主に使われるイワシは、魚の中でもEPA、DHAが豊富です。そのため、かつお節よりも煮干しのほうが含有量が多くなります。

・アミノ酸

煮干しにはうま味成分のイノシン酸をはじめ、BCAAと呼ばれる必須アミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン)が多く含まれています。BCAAは筋肉のエネルギー源となりますので、特に運動時に摂取することが推奨されています。

・ミネラル

魚をまるごと使用している煮干しは、カルシウム、鉄、マグネシウムなどのミネラルが豊富です。中でもカルシウムは牛乳のおよそ20倍、鉄はひじきの6倍含まれています。ミネラルは骨や血液などの身体を作る重要な成分ですが、過剰に摂取すると健康に害を及ぼす可能性があるため、適量を摂る必要があります。

※煮干しのカルシウムを無駄なく摂取するには、まるごと食べることが重要です。お味噌汁の出汁を取った後、そのまま具として食べたり、佃煮にするとよいでしょう。

干し椎茸

きのこは健康効果が期待できる栄養素が豊富です。さらに干すことによって増加する成分も含まれますので、健康のためには生の椎茸よりも干し椎茸を日々の食事に取り入れるのがおすすめです。

〈干し椎茸に含まれる栄養素〉

・食物繊維

きのこは食物繊維が豊富な食材ですが、中でもβグルカンが多いのが特徴です。βグルカンは免疫力を高める効果があり、抗がん剤の原料にもなっています。また、血糖値の上昇を抑えることで糖尿病の予防や症状の改善が期待できます。

・ビタミン

干し椎茸にはビタミンDが多く含まれています。ビタミンDはカルシウムの吸収を良くする働きがあり、骨の健康維持に役立ちます。生の椎茸にはわずかにしか含まれていませんが、天日干しすることで30倍に増えます。

・アミノ酸

うま味成分のグアニル酸は主に乾燥したきのこに含まれるアミノ酸です。グアニル酸にはうま味だけではなく、血液をサラサラにする効果もあります。

・ミネラル

しいたけはカリウムが豊富な食品です。カリウムは摂り過ぎた塩分の排出を助ける働きがあり、血圧を下げる効果があります。一方で腎臓の機能が低下している場合には、カリウムが体内に蓄積し、さまざまな症状を引き起こす要因となるので注意が必要です。

※干し椎茸はうま味がたっぷりで食材としても美味しいので、だしを取るだけではもったいないです。水で戻したあとの干し椎茸は煮物や炊き込みご飯など、さまざまな料理に使えます。

基本のだし汁

出汁初心者でも簡単に本格的なだし汁が作れます。毎日の食事に無理なく取り入れられる、基本のだしの取り方を紹介します。

かつお節の一番だしの取り方

かつお節の一番だしはかつお節を煮出さないので、短時間で失敗なく香り高いだし汁が作れます。

・水1,000mlを鍋で沸騰させて火を止め、かつおの削り節30gを入れ1〜2分おく。ザルやふきんなどで濾して削り節を取り除く。

※取り出したかつお節は二番だしを取ったり、鍋で炒ってふりかけにして食べると、出し殻に残った栄養を無駄にすることがありません。

かつお節、昆布の合わせだし

かつお節と昆布の合わせだしはあらゆる料理に合いますので、和食で最も使われているだし汁のひとつです。異なるだしを組み合わせることで、うま味の相乗効果が生まれるだけでなく、それぞれの栄養を摂取できます。

・鍋に水1,000mlと昆布10gを入れ、沸騰直前まで加熱したら昆布を取り出す。ひと煮立ちさせてから、かつお節20gを入れ1〜2分おいてザルやふきんなどで濾す。

※だしを取った後の出し殻は二番だしに使ったり、料理に混ぜ込んで活用してください。

※できあがっただし汁に梅干しを入れてホットドリンクのように飲むのもおすすめです。

だしパックを使えば手間なく気軽に毎日活用できます

一番だし本枯節と昆布のだしパック

一番だし本枯節と昆布のだしパック4P

自社で製造した本枯節を厚めに削り、北海道産利尻昆布と合わせました。
鰹節と昆布のみのだしで、それ以外は何も加えておりません。
どこか昔懐かしいホッと落ち着く、芳醇な香りと濃厚なだしを是非ご堪能ください。

一番だし本枯節と昆布のだしパック だし汁

栄養素を無駄なく摂れるレシピ

だしを取った後の出し殻にはうまみも栄養もまだまだたくさん残っています。まるごと食べることで全ての栄養を摂ることができますので、捨てずに活用することが大切です。

かつお節のだし殻入り豆腐ハンバーグ

豆腐ハンバーグの和風の味付けにかつお節がよく合います。ヘルシーなハンバーグにかつお節の栄養も加わり、ダイエット中の方や高齢の方に最適です。良質なたんぱく質が摂れる健康メニューです。

材料(2人分)

・木綿豆腐 200g

・鶏ひき肉 150g

・玉ねぎ 1/2個

・パン粉 大さじ3

・醤油 小さじ1

・かつお節の出し殻 適量

・サラダ油 適量

・ポン酢 適量

・大根おろし 適量

作り方

①木綿豆腐はキッチンペーパーで包み、皿にのせて重しをしてしっかりと水切りしておく。(30分以上)

②かつお節の出し殻と玉ねぎはみじん切りにしておく。

③ボウルに①の木綿豆腐、玉ねぎ、パン粉、醤油、出し殻を入れ、粘りが出るまでよく混ぜる。

④③を4等分にして小判型にまとめる。

④サラダ油をひいて熱したフライパンに④を並べて中火で焼く。

⑤両面に焼き色が付くまで焼いたら、蓋をして弱火で中に火が通るまで焼く。

⑥器にハンバーグを盛り付け、大根おろしをのせてポン酢をかける。

※かつお節の出し殻は冷凍しておいて、みじん切りにすると簡単です。

※水で戻した干し椎茸を刻んで混ぜるのもおすすめです。

※だしパックでだしを取った後の中身も同じように混ぜ込んで使えます。

※水切りする時間が無い場合は、キッチンペーパーで包んだ豆腐を耐熱皿にのせて電子レンジで3分加熱したあと、重しをして5分おく方法で時短になります。

大根おろしと相性がいい梅の酸味が爽やかな食べるポン酢

厳選した国産大豆と国産米麹を使用した醤油もろみに、焼津産かつお節 と北海道産真昆布を練り込みました。更に紀州産梅を加えたぽん酢風調味料です。梅の爽やかな酸味とゴロゴロした大豆の食感が楽しい食べるおかず調味料となっています。お茶漬け、卵かけご飯にはもちろんのこと、そのまま白飯にのせたり、冷奴や大根おろしに混ぜて和風調味料として、また、マヨネーズと和えてディップソースや炒め物など様々な料理にかけて、混ぜてお使い頂けます。

昆布と煮干しのだし殻の佃煮

昆布と煮干しのうまみで箸が止まらなくなる再利用レシピです。

材料

・昆布の出し殻 20g

・煮干しの出し殻 20g

・醤油 小さじ1

・砂糖 小さじ2

・みりん 小さじ1

・酒 小さじ1

・白ごま 適量

作り方

①昆布の出し殻は細切りにする。

②鍋に全ての材料を入れ弱火で水分が無くなるまで炒め煮する。

③火を止めて白ごまを混ぜる。

※かつお節の出し殻や水で戻した干し椎茸を入れてもおいしいです。

※昆布はねばりがあって切りにくいので、カットするときは重ねずに1枚ずつ切るのがポイントです。

※出し殻は冷凍保存しておいて、ある程度の量になったらまとめて調理するとよいでしょう。

③健康法としてのだし習慣

だしには素材ごとにそれぞれ健康効果が期待できる栄養素が含まれ、心身の健康維持に役立つことがおわかりいただけたと思います。手軽という理由でいつも顆粒や粉末のだしの素を使っているという方も多いのではないでしょうか。しかし、だしの素は一般的にだしの素材から抽出したエキスを使用していますので、残念ながらだしの素材をまるごと食べた場合と比べ栄養価が低くなってしまいます。さらにだしの素には化学調味料や塩、砂糖が添加されていますので、摂り過ぎに注意が必要です。

昆布やかつお節を粉砕したものをパックにした、だしパックなら手間なく香り高い本格的なだし汁を作ることができ、パックの中身を料理に使う事で栄養も無駄になりません。

また、だしのうま味とコクのおかげで、調味料をあまり使わなくても満足感が得られるという利点もあります。

健康を気にかけている方はもちろん、ダイエット中の方、疲れやストレスを感じやすい方も、だしを習慣にすることで身体や肌の調子を整え、心の安定をもたらす健康法となるでしょう。

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