かつお節は日本の食文化を支える貴重な食材ですが、かつおが節になると塩分がどの程度残っているものでしょうか。普段食べているたべものと比較し、塩分量を知ったうえで減塩でおいしく食べる料理や人気のかつおふりかけ・おかかなど簡単調理をご紹介します。

目次

①かつお節の塩分とその他食材との比較

②かつお節を使った簡単レシピ

③塩分を気を付ける場合

④身体と塩

①かつお節の塩分とその他食材との比較

かつお節塩分量

かつお節を料理の上からかけたり和えたり、だしを取って調理する和食には必要不可欠な食材です。生身のかつおからかつお節をに姿を変えると、塩気を多少感じると思いますが、どの程度塩分が含まれているのか気になる方もいらっしゃるかと思いますのでご紹介します。

まずかつお節の製造工程についてご説明します。かつお節は、頭を切り落とし内臓をきれいに取り出します。身を4つに切り分け、煮熟（じゃじく）という身を煮こむ工程を行います。身を柔らかくしたあとは一度水分を飛ばすため乾燥。その後焙乾（ばいかん）という燻し作業を経て、香りと旨みをしっかり生み出していきます。さらに乾燥させ水分量を調整し、荒節というかつお節が完成します。ここからカビ付けを行い、干して作るかつお節を本枯節といいます。

かつお節の製造工程で、塩や食材、調味料などを使用することはございません。そのため、かつおそのものが保有する塩分量が製造工程を経てどう変化していくのかということになります。それを踏まえ食塩塩分量がいかほどなのかご注目ください。

かつお節食塩相当量（100gあたり）・・・0.3g

100gあたり0.3gという塩分含有量は、非常に少ない数値と言えます。かつお節を一度に100g摂取される方はおりませんので、おおよそ1g～3g程度と考えると、3g摂取した場合には約0.01gになります。この数値がほかの食材と比較した際に多いのか少ないのかという点。またかつお節はだしを取ることが多い食品ですので、だしの食塩相当量は下がってきます。では、出汁でかつお節と同様に日本食の基本として愛されている昆布でみてみましょう。

昆布の塩分含有量

昆布食塩相当量（100gあたり）・・・6.6g

かつお節の約20倍で、かつお節と同じく3g程度摂取した場合は約0.2g程度になり、昆布のほうが塩分が多いことがわかります。昆布は塩分多くて健康に良くないのでは？と思うかもしれませんが、そのような心配はございません。

1日あたりの食塩摂取量目標値において成人男性が9.0g未満、成人女性が7.5g未満となりますので、かつお節、昆布ともに含有量を考慮すると意識するほど塩分を含んでいないということになります。また昆布は水戻してから食べますので、戻した際に塩分が落ちます。もちろん過剰摂取はおすすめしませんが、普段摂取している量であれば問題のない数値となります。昆布もだしとして利用されることも多く、水に溶かすことで塩分量は変わってきます。

駿河ふぶき（4g×5袋）

だしせん（500g）

お子さまやペットがへの影響は？

かつお節はお子さまにも食育としてもご利用可能です。塩分は低く、栄養価が高いため、成長促進にも役立つ食材です。また人間が体外から取り得ないと生成できない必須アミノ酸を保有しています。離乳食が始まり、ある程度食事ができるようなってきたら、少しずつお出汁を取ったお料理を作っていくと良いでしょう。味付けは塩分に気を付けて作ることを心がけましょう。

またペットを飼っているご家庭においては、猫や犬の食事において塩分量が気になる方もいらっしゃるかと思います。キャットフードやドッグフードと比べても塩分量はほぼ変わりませんので、結果、人間同様にかつお節1g弱をふりかけとして与えても問題はございません。現在ではペット用のかつお節、粉末などもございますので、より塩分量がペット用に調整されていますので、かつお節が好物な場合はそちらをご検討いただくとよろしいかと思います。

②かつお節を使った簡単レシピ

かつお節や昆布を使って料理する際の一番の注意点は味付けです。だしは風味や香りなどは出せますが、甘さ、しょっぱさなどの味覚は調味料の調整になります。濃い味の料理を作る際は特に調味料の配分を考慮し作りましょう。

特にカップラーメンなどは、スープまで飲み干すと塩分量が5g程度あると言われておりますので、1食完食した場合にはそのほかの食事の制限もしくは調整をするようにしましょう。

現在削り節はパックで販売されている商品が主流となっており、1パックあたり1.5g～4g程度の使い切りタイプになっております。1.5gでおひとり、4g程度でご家族3~4名でのご利用が目安となります。

かつお節を使ったレシピ

・おかかふりかけ

かつお節料理で人気のひとつおかか。かつお節から簡単に作ることができます。甘じょっぱさがごはん、おむすびの具やおかずにも相性抜群！

＜材料＞

かつお節・・・20g

みりん・・・大さじ1

醤油・・・大さじ2

酒・・・大さじ1

砂糖・・・大さじ1/2

白ごま・・・適量

＜作り方＞

①みりん、醤油、酒、砂糖を弱火で熱し煮立てる。

②煮立ったら、かつお節を入れ中火で炒める。

③水分が飛ぶ程度まで炒めたら、白ごまを入れて軽く炒めて完成。

かつお節は、細かな削り節でもだしがらを細かく刻んでご使用いただけます。

・かつおぶしたっぷりの炊き込みご飯

かつお節を炊き込みご飯の具材として使ってみましょう。香りが良く食感も楽しめます。

＜材料＞（2人分）

・お米　2合

・だし汁（鰹節使用）　400㎖

・しめじ　1/2パック

・舞茸　1/2パック

・にんじん　1/2本

・だしがらの鰹節　適量

・醤油　大さじ2

・酒　大さじ1

＜作り方＞

①米を研いで30分ほど水にひたし、ざるに上げて水けを切る

②しめじ、舞茸は食べやすい大きさに手でほぐし、にんじんは細切りに、三つ葉がざく切りにする

③炊飯器に米と目盛までだし汁とだしがらを入れ、醤油、酒を加えたらしめじ、にんじんをのせて炊く

④炊けたら軽く混ぜてお茶碗によそい、三つ葉を添えたら出来上がり

※おすすめポイント

だしがらを多めでもおいしくいただけます。

だしを使ったレシピ

・ふわふわに仕上がるだし巻卵

だし巻卵のおいしさの決め手はだし。作り置きや簡単に取っただしでつくれば時短にもなります。プロが実践するだし巻卵のレシピをご紹介します。

＜材料＞（2人分）

・卵　2個（Mサイズ）

・だし汁　45㎖（かつおだしまたは合わせだしがおすすめ）

・醤油　小さじ1/2

・砂糖　小さじ1/4

・塩　少々

・サラダ油　適量

＜作り方＞

①ボウルに卵を割り、卵白を切るように卵黄と均一に混ぜる

②ザルで卵をこす

③だし汁、醤油、砂糖、塩を入れてさらに混ぜる

④卵焼き用のフライパンに、サラダ油を丁寧に塗り中火で熱する

⑤溶いた卵の1/3量をフライパンに流し入れ広げる

⑥半熟になったら、卵を巻き（奥から手前）、巻き終わったら奥にずらす

⑦サラダ油をフライパンに丁寧に塗り、卵液の1/3を流し入れ、⑥の作業を繰りかえす

⑧残りの1/3の卵液まで巻き終えたら、フライパンから取り出し、キッチンペーパーで余分な油を取り器に乗せて完成

※おすすめポイント

だし巻卵は、中火で焼くのがポイント。きめが細かくきれいな仕上がりになります。

一番だし　本枯節と昆布のだしパック

かつお節は和食の深みとおいしさを最大限に広げてくれます。簡単な料理から手の込んだ料理まで、うま味をしっかりと出してくれますので、だしなくして作れません。

③塩分を気を付ける場合

かつお出汁は、削り節、だしパック、白だしなどのほか顆粒だしがあります。粉末状タイプで、水やお湯に溶かすだけで出汁が取れる時短アイテムとして重宝されています。削り節、だしパックからだしを取るには準備を考慮すると10～15分は最低必要になってきますので、そういった面を考慮すると非常に楽です。また味も調えられていますので、味付けについても手間がかかりません。

ただデメリットとしては塩分が高いという点です。加工され味がついておりますので、だしをとるかつお節と比べると分量を考えて料理しなければなりません。また健康面を重視されている方においては、使いすぎないよう調整しながら料理するようにしましょう。

塩味は生活の上で大変重要な食材ですが、摂取量が多いと健康面に気を付けなければなりません。使用のバランスを考えて時間があるときはだしを取り、ないときは顆粒だしでといった形で使い分けるほうが良いでしょう。

④身体と塩

塩分はわたしたちが生きていく上では必須の成分です。運動をして汗をかけば塩分は外に出ますし、出た分は補給もしなくてはなりません。片方が偏っては、健康維持が不安定になりますので、自身の生活習慣において必要な塩分量かを把握するのも必要なことです。

かつお節は、古くから愛されて現代の食文化にも根付いています。上手に料理に使い日々の健康を心掛けていきましょう。

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