栄養素が高くかつお節、だし、だしがらなど用途も多いかつお。特にかつお節、だしは健康維持や食育にも大変貴重な食材です。古来より食べ続けてきた納得する理由やうま味のおいしい組み合わせなど解説していきます。
目次
①かつお節の栄養素
かつお節はたんぱく質、ビタミン、ミネラルを多く含み、ダイエット効果や食育まで期待ができる栄養価の高い食材です。そもそもかつおは1,500年以上前より食べられてきた魚で、その後、堅魚、かつお節と製法を増やし古来より重要視されてきた食材です。
かつお節に含まれる成分、栄養素
以下は鰹節100gあたりに含まれる成分一覧表になります。
かつお節には豊富な栄養があり、特にタンパク質はかつお節100gあたり77.1gも含まれています。一般にタンパク質が多い食材は高カロリーのものが多いですが、かつお節は332kcalと低カロリー。タンパク質を多めに摂取し、カロリーを抑えたい方はかつお節はおすすめです。
骨を丈夫にすると言われるカルシウム。カルシウム単体では骨を作ることが難しく、マグネシウム、ビタミンDの摂取が必要と言われます。
鉄が不足すると疲労感などが出る恐れがありますので、適度な摂取が必要です。成人で1日7.5g程度の摂取が望ましいと言われておりますが、かつお節には100gあたり5.5gほど含まれており。かつお節を100gを食べることは難しいため、ほかの食材もあわせて摂取するように心がけましょう。
必須アミノ酸
かつお節の成分で最も注目すべき点はアミノ酸です。アミノ酸はたんぱく質のもととなる要素のひとつで、9種類の「必須アミノ酸」が存在します。必須アミノ酸は体内で生成することはできず、摂取することで得られる栄養です。かつお節この必須アミノ酸を全てを含む食材となっており、非常に重要な役割をもっています。
【参考】食品成分データベース-文部科学省-
かつお節には多くのアミノ酸が含まれています。その中でもイソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジンの9種が必須アミノ酸に属します。
必須アミノ酸には各種さまざまな効能があります。代表的な効能をご紹介いていきます。
イソロイシン:血圧抑制、筋肉・成長の促進
ロイシン:疲労・肉体回復、筋肉・成長の促進
リシン:肝機能、免疫力アップ
メチオニン:老化抑制(アンチエイジング)
フェニルアラニン:精神高揚(抑うつ)
トレオニン:美肌効果、保湿効果
トリプトファン:老化抑制(アンチエイジング)、睡眠向上物質生成(メラトニン)、精神安定物質生成(セロトニン)
バリン:筋肉・成長の促進、血中窒素のバランス調整
ヒスチジン:成長促進、脂肪燃焼促進
かつお節ひとつで人間が生成できない必須アミノ酸を全て保有していることは体の健康維持、働きに大変貴重です。また体の成長や維持に必要な栄養素が主となりため、健康維持はもちろんのこと子供の食育にも非常に役立ちます。
②かつお節のうま味成分
イノシン酸
かつお節にはうま味成分の「イノシン酸」が多く含まれているという研究結果があります。うま味とはその名の通りおいしさ、うまさを表した表現となり、欧米諸国でも「umami」として認知されています。古くからだしを取って食べるという食文化が正しかったことがわかります。
イノシン酸は、核酸(DNAとRNAのことを指し、生命の設計図とたんぱく質の合成に関わる物質)の一種での有機化合物です。かつお節のほかに鶏肉、牛肉、豚肉の肉類に含まれています。このイノシン酸のうま味成分だけでも効果を感じることはできますが、同様のうま味成分であるグルタミン酸のうま味成分とうまく組み合わせることで、格段に旨みがアップすると言われています。
グルタミン酸
だしの代表格のひとつでもある昆布が有名です。グルタミン酸自体はほとんどの食材に含まれています。
元来より昆布に含まれる成分が美味しいものだということは、周知はされていましたが、研究が進められる前までは要因は不明でした。その後の研究より昆布からうま味成分であるグルタミン酸を発見したことで、昆布を食べる習慣が必然であったことが証明されました。
昆布のほかにもトマト、白菜などの野菜類、チーズやじゃがいもなどにも含まれております。
さらに研究を進めるうえで、イノシン酸とグルタミン酸を組み合わせることでうま味成分が飛躍的に増加することもわかり、料理の幅が広がりました。
おすすめの組み合わせ
・かつお節×昆布
かつお節、昆布ともに和食の基本となる出汁が取れる食材。前述したとおり、単独で使用するよりも旨みが跳ね上がります。和食の基本となる出汁はもちろん、洋食などにも旨みを生み出し、食事の楽しさが今まで以上に感じられるのではないでしょうか。
・牛肉×玉ねぎ、にんじん、セロリ
うま味に馴染みがないかもしれませんが、牛肉にも旨みがあります。かつお節と比べると旨みのベクトルが異なりますが、牛も焼き、煮るなどでうま味が出ます。洋食でスープや牛肉を焼いた脂でにんじん、玉ねぎを炒めるとうま味がアップ!メニューのひとつに考慮されるのも良いかと思います。
・鶏肉×玉ねぎ、しょうが
中華料理をつくる上で、旨みがアップする組み合わせです。鶏肉のイノシン酸と玉ねぎ・しょうがのグルタミン酸のうま味の相性がよく、炒め物、スープなどがおすすめです。
それぞれの食材の特徴を活かし上手に組み合わせて、料理の幅を広げてみましょう。
③かつお節の摂取、食べ方
かつお節を摂取するにあたり、ここまでご説明した内容は100gあたりの含有量をご説明して参りました。ほとんどの食材にも言えることですが、一日で全て足り得る量を摂取することは難しいため、毎日の積み重ねが必要となります。
そこでかつお節を毎日楽しく摂れる食べ方や使い方をご紹介していきます。
削り節
かつお節の楽しみ方、食し方としてスタンダードなもののひとつが削り節です。スーパーマーケットなどにも削り節コーナーがあり、特に薄削りのタイプ手に入れやすい商品。基本的には荒節(カビ付けなし)を削ったものが主流ですが、一部枯本節(カビ付けあり)を使用した削り節もございます。荒節ではカビ付け工程がなく、燻して干すまでのかつお節となりますので、枯本節と比べると安価で手に入れられます。また枯本節のようにカビをつけることで、より香りや風味が増し、口触りも良いのが特徴です。
削り節を一度に使う量は一般的には1~2g程度(一人あたり)。ご家族で利用される際は、4~5g程度になります。ごはん、冷ややっこ、煮物、おひたし、サラダ、お好み焼きなどへのふりかけや納豆、和え物などに混ぜてもおいしくいただけます。日々の食事に少しずつ使用していくことをおすすめします。
出汁
和食の基本である鰹出汁は、繊細で濃厚な味わいです。出汁の使い道としては、味噌汁に使うことが主です。味噌との相性も良く、だしがあるなしで大きな旨みの違いを感じれらると思います。ほかにも鍋、煮物、炒め物など幅広く利用でき、栄養も多分ございます。
だしがら
だしがらはだしをとったあとの削り節のことを指します。だしを取ったあともまだしっかりとたんぱく質があ残っていますので使いどころは満載です。細かく刻んでおかかのふりかけや、サラダの和え物として利用することができます。
SDGsが推進される世の中でもありますので、いままで廃棄していた食材をおいしいものに生まれ変わらせることはフードロスにもつながります。
かつおは節になってからも食べ方が豊富で、それぞれ違った味の特徴をもちながらも栄養価が高い食材です。保存期間も長く、非常食としても常備しておくことも出来ますよ!
かつお節は、かつお節・だし専門の堅魚屋がこだわり削り節、本枯節、だしパックまでご用意しております。かつおの街焼津からご自宅まで直送いたしますので、ぜひご利用ください。