だしは長年日本で愛され続け、今や和食だけでなく世界中で人気があります。ぽんずも料理の味付けやアクセントとして、うどんや和え物などさまざまなレシピがあります。そんな日本のソウル調味料!だしぽんずの使い方やアレンジ料理をご紹介します。
目次
①-1だしのおいしさの秘密は「うまみ」
①-2健康維持に一役買っているだしの栄養
①-2代表的なだしの種類を知ろう
1.【だしの種類】香り高いかつおだし
2.【だしの種類】上品なまろやかさ昆布だし
3.【だしの種類】コクのある煮干しだし
③-1ぽんずには長い歴史があった
③-2思い浮かぶのはぽんずしょうゆ!?
1.ぽんずしょうゆとは
2.さらにうま味がプラス!だし入りぽんずしょうゆとは
④だしとぽんずのおいしい相乗効果!だし入りぽんずしょうゆの利用方法
④-1自家製!だし入りぽんずしょうゆの作り方
④-2だし入りぽんずしょうゆにおすすめのだし
⑤-1鶏ささみの中華和え風サラダ
⑤-2厚揚げと大根の簡単おつまみ
⑤-3だしぽんずしょうゆのさわやか冷やしうどん
⑤-4茶碗蒸し梅ぽん酢添え
⑤-5白菜たっぷり豚しゃぶ鍋
①そもそも「だし」って何?
だしは長い年月日本で使われ続けてきた、和食にはなくてはならないうまみ調味料です。
だしと聞くと懐かしくほっとするイメージをもたれる人も多いはずです。だしがうまく取れると料理レベルも上がったように思えて幸せな気分になりますよね。
とはいえ、だしはほぼ毎日料理に使うので「種類が豊富でどれをえらんだらよいかわからない」「一からだしを取ったことがあまりない」という疑問をもつ人もいるのではないでしょうか。
そもそもだしとは何か?から、簡単においしいだしを取る方法をご紹介します。料理の要となるだしの豆知識としてストックしていただけたらうれしいです。
①-1だしは天然の素材から抽出された「うま味」
「うま味」とは、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味という5つの基本味のひとつです。おいしさを表すものと勘違いされやすいのですが少し違います。
うま味は、おいしさを作るための味の要素と考えるとわかりやすいかもしれません。
だしは、うま味成分の液体。動物性や植物性の材料から抽出されたうま味成分の液体天然の素材です。
だしのうま味の物質は代表的なものでいうと、イノシン酸、グルタミン酸があげられます。このうま味成分が素材の味を引き出しまとめ、風味のある料理を完成させるのです。
①-2健康維持に一役買っているだしの栄養
料理をおいしくするのに最適なだしは、栄養もたっぷり含まれています。
文部科学省食品成分表示食品成分データベース食品成分データベース (mext.go.jp)によると、だしの代表的材料であるかつお節には、タンパク質、ミネラル、ビタミン、アミノ酸が豊富に含まれていることがわかります。また、昆布は炭水化物やミネラルが含まれています。
どちらも健康を維持するうえで大切な栄養素がふんだんに含まれています。
だしのうま味は塩分を引き立たせるといわれています。そのため塩を必要以上に入れなくて済むので、減塩ができて健康維持に一役買っています。
①-3代表的なだしの種類を知ろう
日本食に欠かせないだしの種類は多く、元となる材料によって特徴が異なります。
ここでは、代表的なだし3種をご紹介。どれもなじみのあるものですが改めておさらい情報として御覧ください。
1.【だしの種類】香り高いかつおだし
かつおだしは日常において最も代表的なだしであり、なじみもあり多くの料理に合う万能選手。香り高く、味わいはやや酸味がありすっきりしています。
うま味成分はイノシン酸。
そのままでもおいしい味わいなので、だしが主役の料理にぴったりです。お吸い物やみそ汁、だし巻き卵などのお料理に合いますよ。
豊かな風味の一番だし、うま味が絶妙に残る二番だしとそれぞれ特徴が変わるので、料理によって使い分けするのもよいでしょう。
・だしの取り方
かつおぶしを入れた水を沸騰させ、かつおぶしがなべ底に沈むまで待ち、布巾などを敷いたざるでこします。
(水1ℓに対しかつおぶし30g)
2.【だしの種類】上品なまろやかさ昆布だし
昆布だしは、上品でコクのあるうま味があり、食材の味を引き立ててくれます。
うま味成分は、グルタミン酸です。おひたしや、煮物に使うとまろやかで品のある味わいに。甘みもあるのでやさしい味に仕上がります。
「精進料理」のように動物性の食材を使わずに調理する、だしとしても好まれています。
だしを取るときは、沸騰させると昆布からぬめりが出てきてしまうので鍋の温度には注意しましょう。
・だしの取り方
固く絞った濡れ布巾で軽く拭いた昆布を、鍋に入った水に入れてつけ置きする。
一時間ほど置いたら、鍋を中火にかけ沸騰直前で火を止め昆布を取り出す。
(水1ℓに対し昆布10~20g)
3.【だしの種類】うま味の共演!かつお節と昆布の合わせだし
かつお節と昆布のうま味を共演させたのが合わせだしです。
それぞれのうま味が合わさって風味も増してお料理の味の幅も広がることでしょう。
合わせだしは、ダイレクトにだしの味を感じられるお吸い物や茶碗蒸し、めんつゆなどに使われることが多いです。
・だしの取り方
固く絞った濡れ布巾で軽く拭いた昆布を、鍋に入った水に入れてつけ置きする。
一時間ほど置いたら、鍋を中火にかけ沸騰直前で火を止め昆布を取り出す。昆布のだし汁の中にかつおぶし20gを入れて2分程置く。
布巾などを敷いたざるでこします。
(水1ℓに対し昆布10~20g、かつおぶし20g)
②簡単においしいだしを取る方法
だしは「作るのが面倒」「時間がかかりそう」「材料を準備するのが大変」と思っている人もいるのではないでしょうか。だしの基本的な取り方をマスターしてしまえばよいのですが、それでも毎日作るのは骨が折れる作業です。
忙しい人にぜひおすすめしたいのが、あらかじめだしの素材をパックづめした「だしパック」です。本格的なだしを煮出して取る場合、おおよそ20分以上かかりますが、だしパックは沸騰してから3~5分で完成。かなりの時短料理になります。
また、だしパックはこだわりの材料を職人技で調合しているので非常においしいのです。
自社で製造した本枯節を厚めに削り、北海道産利尻昆布と合わせました。
鰹節と昆布のみのだしで、それ以外は何も加えておりません。
どこか昔懐かしいホッと落ち着く、芳醇な香りと濃厚なだしを是非ご堪能ください。
③そもそも「ぽんず」って何?
ぽんずも日本食には欠かせない調味料で常備しているご家庭も少なくないはずです。
ぽんずは、ユズ、スダチ、ダイダイ、カボス、レモンなどの柑橘系の果汁とお酢を混ぜたもの。スーパーやネットショップでもさまざまな商品を見かけると思います。
料理のアクセントとして利用されますが、ぽんずとしょうゆを合わせたぽんずしょうゆは料理のメインの味付けとして使えます。ここからは、ぽんずの歴史や栄養、ぽんずしょうゆについてご紹介していきます。
③-1ぽんずには長い歴史があった
ぽんずは日本ではなじみすぎている名前ですが、実は日本発祥ではなく語源はオランダ語です。柑橘系を指す「ポンス」からきているといわれています。
鎖国をしていた江戸時代に、長崎の出島からポンスと呼ぶようになったというのが有力な説。ぽんずもまた、だしと同様歴史があり、長い年月日本の人々に愛されてきた調味料といえます。
③-2みなさんが思い浮かべるのはぽんずしょうゆ!?
ぽんずは、柑橘類と酢を合わせたものというよりかは、ぽんずとしょうゆが合わさった「ぽんずしょうゆ」だと思っている人が大半なのではないでしょうか。
スーパーでもさまざまな「ぽんずしょうゆ」と記載のある商品をを見かけると思います。 使用する柑橘類や調味料が少しずつ違っているので、味わいもいろいろ。好みのぽんずしょうゆの商品を見つけてみるのもまた楽しいです。
1.ぽんずしょうゆとは
ぽんずしょうゆとは、その名の通りぽんずとしょうゆをかけあわせたもの。
市販されている商品には、さらに調味料やだしなどが配合されています。
さっぱりした柑橘類の酸味としょうゆのコクがはよく合います。ぽんずしょうゆを使ったレシピも多くあり、料理の幅を広げられます。
2.さらにうま味がプラス!だし入りぽんずしょうゆとは
ぽんずしょうゆにだしを加え、さらにうま味をプラスしたものが「だしぽんずしょうゆ」となります。
だしをプラスしたぽんずしょうゆは、酸味とコクにまろやかさが加わります。
市販品のぽんずしょうゆにもだしが入っているものがありますが、自分でお好みのだしを加えるとさらに味に深みがでます。
④だしとぽんずのおいしい相乗効果!だし入りぽんずしょうゆの利用方法
だしとぽんずの相乗効果をご紹介してきましたが、ここからは自家製のだし入りぽんずしょうゆの作り方や利用方法をご紹介します。
④-1自家製!だし入りぽんずしょうゆの作り方
ご家庭でも手軽に自家製だし入りぽんずしょうゆを作ることができます。お好みの味に作ることができるのでぜひ挑戦してみてくださいね。
<材料>
・柑橘系の果汁100ml(ユズ、スダチ、カボスなどお好みで)
・だし汁500ml(かつおだし、昆布だし、合わせだしなどお好みで)
・醤油150ml
<作り方>
全ての材料を煮沸消毒した瓶に入れてよく混ぜ、冷蔵庫で保管
半月ほどすると熟成されます。
※おすすめポイント
基本的な分量です。だし汁を混ぜる時は少しずつ味見しながら足していきましょう。
しょうゆは、濃い口や薄口などがありますので好みで選んでみてくださいね。
④-2だし入りぽんずしょうゆにおすすめのだし
・かつおだし
・昆布だし
・合わせだし
だし入りぽんずしょうゆのだしは、かつおだしを使うとすっきりとした酸味のある味わいになります。
昆布だしを使うとまろやかなコクのある味わいに。
酸味とコク両方を楽しみたい人は合わせだしがおすすめ。味に深みが増します。
⑤だし入りぽんずしょうゆを使ったアレンジレシピ5選
いままでご紹介してきただし入りぽんずしょうゆは自分好みにアレンジできることからも、優秀な調味料といえます。
だし入りぽんずしょうゆを使ったアレンジレシピをご紹介します。 前菜やおつまみ、家族で囲めるメイン料理まで簡単に作れるレシピを集めました。
⑤-1鶏ささみの中華和え風サラダ(堅魚屋様HPレシピより) ごろっと具材とぽんずしょうゆがベストマッチングなさっぱりサラダ。和えるだけなので楽ちんです。前菜やおつまみにぴったりです。
<材料>(2人分)
・鶏ささみ 3本
・きゅうり 1/2本
・ザーサイ 30g
・ぽんず(食べる梅ぽん酢など) 大さじ1
・砂糖 小さじ1/2
・塩コショウ 小さじ1/2
・酒 大さじ1
・ごま油 大さじ2
・糸唐辛子 適量
<作り方>
1.鶏ささみに楊枝で数か所穴をあけ、塩コショウ、酒をまぶしラップをかけて600Wのレンジで5分加熱する
2.レンジから取り出し余熱で火を通し、冷めたら食べやすい大きさに手で割く
3.きゅうりとザーサイは薄切りにする
4.2と3、ぽんず、ごま油を和え器に盛り付け、糸唐辛子を乗せて完成
※おすすめポイント ぽんずは量を調整しながら少しずつ入れて、好みの味に仕上げてくださいね。
⑤-2厚揚げと大根おろしのおつまみ
厚揚げの香ばしさとさっぱりした大根おろしのハーモニーがたまりません。ささっと作れるので、もう一品欲しいときやお酒のおつまみにもおすすめです。
<材料>(1人分)
・厚揚げ 1パック
・大根おろし 1/8
・ショウガ(チューブタイプでOK) 適量
・ごま油 適量 ・だし入りぽんずしょうゆ 適量
<作り方>
1.厚揚げをさいの目に切る
2.大根をおろす
3.フライパンにごま油をひいて、厚揚げを焼く
4.厚揚げに程よく焼き色がついたら、お皿に盛る
5.厚揚げに大根おろしとショウガをのせる
6.だし入りぽんずしょうゆをまわしかける
※おすすめポイント
厚揚げはこんがり焼き色がつくまで火を通すのがポイントです。
⑤-3だし入りぽんずしょうゆのさわやか冷やし月見うどん のどごしさわやかなだし入りぽんずしょうゆを使った冷やしうどんです。つるつるっと食べてしまえるので食欲がない時や、暑い夏にぜひ食べていただきたい一品。
<材料>(1人分)
・うどん 1玉
・カイワレ大根 適量
・大根おろし 適量
・卵の黄身 1個
・だし汁 120cc
・だし入りぽんずしょうゆ 適量
・長ネギ 適量
・のり 適量
<作り方>
1.だし入りぽんずしょうゆとだし汁は冷蔵庫で冷やしておく
2.大根をおろし、カイワレ大根は必要ない部分は切っておく
3.長ネギは輪切りに
4.うどんを茹でる
5.うどんを盛る器に冷やしただし汁を入れておく
6.茹であがったうどんを冷水でしめて水を切り、器に盛る
7.カイワレ大根、大根おろし、卵の黄身、長ネギ、のりをのせる
8.だし入りぽんずしょうゆをお好みでまわしかける
※おすすめポイント
うどんに使うだし汁は、酸味とコクが楽しめる合わせだしがおすすめです。
⑤-4茶碗蒸し梅ぽん酢添え
いつもの茶碗蒸しを、白身魚と梅ぽん酢でアレンジ。おもてなしにも!
<材料>(1人分)
・卵 2個
・だし汁(花かつお使用) 350ml
・塩 小さじ1/2
・みりん 小さじ1
・だし入りぽんずしょうゆ 適量
・鯛の切り身 1切れ
・青ゆず 適量
・ぽんず(食べる梅ぽん酢など) 適量
<作り方>
1.ボウルにだし汁、塩、みりんを入れてよく混ぜ火にかける
2.別のボウルに卵を溶きほぐし、冷ました1を少しずつ加えて混ぜ、ざるを通してこす
3.耐熱性の器に2を注ぐ
4.大きめの鍋を用意し、蓋を布巾で包む。鍋に水を2㎝深さまで注いで3を入れ、中火にかける
5.煮立ったら蓋をし、強火で1~2分間蒸してね表面が白くなり、固まり始めたら鯛の切り身を上に乗せる
6.弱火にして、蓋を少しずらしてかけ5~7分間蒸す
7.鯛の切り身に火が通ったら、青ゆずの薄切りと梅ぽん酢を乗せる
※おすすめポイント
目先の変わったアレンジメニューは、見た目にも華やかでおもてなしにもぴったり!!
お召し上がりいただければ違いを必ず感じて頂けるかと思います。
ご飯やお豆腐に、たっぷりかけてお召し上がりください。
⑤-5白菜たっぷり豚しゃぶ鍋
白菜と豚肉という黄金コンビに、だし入りぽんずしょうゆは絶妙にマッチします。まろやかな白菜の甘みが絶妙でやさしい味に仕上げてくれます。家族で食卓を囲んだり、お客様へのおもてなしメニューのラインナップに入れてみるのはいかがでしょうか。
<材料>(1人分)
・白菜 1/8
・豚肉(しゃぶしゃぶ用) 200g
・だし汁 600cc
・豆腐 半丁
・長ネギ 適量 ・だしぽんずしょうゆ 適量
<作り方>
1.白菜、豆腐を食べやすい大きさに切る
2.長ネギは輪切りにする
3.だし入りぽんずしょうゆは器に入れておく
4.鍋でだしを煮立たせ、白菜、豚肉、豆腐を入れる
5.具材に火が通ったら、だし入りぽんずしょうゆが入った器にあげて長ネギをかけて食べる
※おすすめポイント
だし汁はまろやかな味の昆布だしがおすすめ。こちらではシンプルな鍋の具材をチョイスしました。しいたけ類やこんにゃくも、だし入りぽんずしょうゆによく合います。
⑥だし入りぽんずしょうゆを利用するときに気をつけたいこと
だし入りぽんずしょうゆは、さまざまな料理に簡単に使える調味料として大活躍しますが、使用するときには気をつけたい点があります。
市販されているぽんずしょうゆは大さじ一杯当たり、塩分が1.2gほど入っているものなど塩分量が高めです。 厚生労働省から公表されている「日本人の食事摂取基準(20年版)」「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 (mhlw.go.jp)によると、日本人の1日の塩分摂取量の目安は、6g未満が目標とされています。
ぽんずしょうゆは、しょうゆほどの塩分はないものの、たくさん使ってしまうと体に負担がかかる可能性も。
消費者庁から公表されている動画「今日からスタート! 栄養成分表示を使って減塩ライフ!」https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/consumers/movie/movie_02.html
では、資料や一覧を使いながら食品表示の活用法が説明されています。
塩分が気になる方は、参考に市販の商品の「減塩タイプ」の表示をチェックしてみてください。
また消費者庁のサイトマップには食品表示についてや栄養表示についてなど詳細資料の一覧が見れます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
⑦だしやぽんずが世界中で注目
だしとぽんずは古くから日本で親しまれ、料理に使えばおいしさを引き出してくれる優秀な調味料であることがわかりました。
2013年12月に日本の食文化「和食」がユネスコの「食の無形文化遺産」に登録されました。それにより、さらにだしやぽんずが世界中で注目されています。
私たちにとって、家庭的で安心する日本調味料だしぽんずの可能性がさらに広がっています。
日本の食文化の素晴らしさを改めて再確認するとともに、守って行きたいと感じます。 ぜひみなさんも料理のメニューに取り入れてみてくださいね。